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オシロスコープの技術紹介・用語解説 ブラウン管

 ブラウン管

(1)明るくシャープなメッシュレス後段偏向拡大方式(自社開発)のCRT

 広帯域オシロスコープには、高性能CRTは必要不可欠のものです。CRTの高性能とは、一般に高感度、高輝度、高解像度、低歪を言います。弊社では広帯域オシロスコープの製品開発のため、独自にCRTの研究開発を行っています。
 一般に、広帯域のCRTでは、ドームメッシュ(1-15図)による後段偏向拡大方式が採用されています。 ドームメッシュ方式では、偏向系とスクリーンの間にドームメッシュを配置し図1-14図-(a)、軸対称の凹レンズを形成し、偏向された電子ビームを偏向拡大し、高感度化を計っています。
 さらに、この凹レンズの作用を強くすることにより感度は向上しますが、フォーカスの倍率が大きくなり、解像度の悪化をきたします。
 メッシュレス後段偏向拡大方式は、解像度を悪化させず、高感度化を図る手段として開発されたものです。この方式は、メッシュを用いないで1-16図のような電極を偏向系と蛍光膜間に配置し、1-14図(b)垂直方向に凸レンズを作り、水平方向に凹レンズを形成したものです。偏向された電子ビームは垂直方向では、反転偏向拡大され、水平方向は偏向拡大されます。この方式によればレンズの作用を大きくしても、フォーカス倍率はあまり変わらないので、偏向拡大作用だけを大きくすることができます。この方式はメッシュを用いていないため、電子ビームの有効利用率(通常メッシュの開孔率は50%)が大きく、同一条件では2倍程度高輝度になります。
 また、メッシュに衝突したビームが散乱して、管面上に現れるハレーション現象もないという利点もあります。
 このようにメッシュレス後段偏向拡大方式のCRTは、メッシュ方式の欠点を改善した最新のCRTです。

1-14図 偏向拡大方式

1-15図にドームメッシュ、1-16図にメッシュレスレンズの形状を示します。これらの形状は直線性、パターン歪を最小にするため、コンピュータによるフィールドシミュレーション、軌道解析シミュレーションにより設計されています。ドームメッシュの場合は軸対称関係ですので2元のシミュレーションで充分ですが、メッシュレスの場合は、3次元のシミュレーションが必要です。メッシュレスレンズはレンズの有効域(レンズ口径比)を大きくするため箱(BOX)状になっています。このためCRTの管長を短くできるので、ポータブル・オシロスコープ用として使われています。

1-15図 後段偏向拡大電極ドームメッシュ

1-16図 後段偏向拡大電極メッシュレス電極

(2)CRTの加速電圧と輝度

 CRTの輝線の明るさは、加速電圧(カソードから第3陽極まで)、ビーム量、スポット径(フォーカス)の3つの要素で大きく左右されます。加速電圧が高いということは、高輝度を得るための前提条件です。高輝度を得るためには加速電圧は高くなければなりません。
  しかし、加速電圧が高いからといって、そのCRTが高輝度かと言うと一概にそうは言えません。CRTは、電子ビームが蛍光面に衝突したとき光を出しますが、その光の明るさは電子ビームのエネルギーに比例するので加速電圧が高くても、蛍光面に到達するビームの量が少ないと暗くなります。
  また、フォーカスがあまいとビームが分散し、光も分散しますので輝線は暗くなります。
 

(3)オートフォーカス

一般に、CRTは輝度を変えると、多かれ少なかれフォーカスがずれるものです。このオートフォーカスは、輝度を変えてもフォーカスずれが少なくなるように、INTEN(輝度調整)に合わせてフォーカス電極の電圧を変えるようにしたものです。オートフォーカスの採用により、輝度を変えても波形のボケがほとんどありません。
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